バイクトラブル

ブレーキから白煙が出てくる原因とは

ブレーキから白煙が出てきた

バイクのトラブルの中でもびっくりするもののひとつが、ブレーキ系の故障です。
走っていてブレーキの制動距離が長くなっているな、と感じたら何らかの故障がある可能性が大です。

このような場合、できるだけすぐにバイクを停めて状況を点検してみましょう。
白煙が出ることもよくあるのですが、この白煙は数分間続くこともあります。

白煙が出るときはディスクローターがかなり熱くなっており、焦げ臭い匂いもするはずです。
こういう場合、フェード現象またはペーパーロック現象が起きていることが考えられますので早急に確認しましょう。

フェード現象・ペーパーロック現象とは

まず、フェード現象というのはブレーキ(ディスクブレーキ・ドラムブレーキ)の摩擦材であるブレーキパッドやブレーキシューを下り坂などで使いすぎた時に起こります。
ブレーキを何度もかけることによって摩擦材のゴムや樹脂が摩耗し、ブレーキがかかりにくくなってしまいます。

もうひとつのペーパーロック現象というのは、やはり摩擦材であるブレーキパッドがブレーキの多用で加熱されている状態です。
ところが加熱が促進されるとブレーキキャリパーにまで熱が伝わり、ブレーキフルード中の液体が沸騰してしまいます。

こうなるとブレーキが効かなくなり、加熱は進む一方という危険な状態になります。
白煙が出るのもこの異常な加熱が原因です。

ブレーキフルードはドラムブレーキのほとんどには使われていないので、ペーパーロック現象が起きるのはディスクブレーキに限られます。

異変に気づいたときの対処方法

走っていて白煙が出てきた、ブレーキがきかない、焦げ臭い匂いがするといった異変が起こるとかなり焦るのが当たり前ですが、決して慌てずにできるだけすみやかにバイクを駐車しましょう。
駐車した後も、高温になっているドラム部分やディスクローターなどには絶対に触らないようにしなければなりません。

水をかけて冷却しようとするのも危険です。
高温の鉄に水をかけてしまうと変形したり歪んだりするばかりではなく、亀裂が入ることもあり得ます。
自然に冷却するのを待ち、ブレーキがきくかどうかを確認した上で走って戻ることも不可能ではありませんが、安全を第一に考えるのであればレッカー車を呼ぶのがいちばんです。

一度こういった事態が起きたバイクは、工場で総点検をしてもらう必要があります。
その中でも、ブレーキフルードの交換なども検討するのがおすすめです。

山岳部のツーリングが好きな人は、エンジンブレーキを積極的に使用することで無駄な加熱を防ぐことができます。
また、ディスクローター部品は放熱性の高い社外パーツに交換しておくのもおすすめです。