バイクの運転テクニック

バイクの正しい8の字ターンについて

ハイスピードで行う白バイ隊員

白バイ隊員がトレーニングで行う「8の字」ターンは思いのほか高速で行われます。
そのため、コーナーでは急激に減速しなくはならず、フロント・リヤの両ブレーキをバランスよく使い、停車ではなく車体を安定させてコントロールできる速度まで減速します。

このトレーニングで習得するテクニックは、滑りやすい路面の走行にも有用なフロント・リヤ両ブレーキのコンビネーションに最適だといわれています。
隊員がトレーニングするコースはストレート部分の距離が長い設定となっており、ハイスピードからの急減速といったメリハリをはっきりつけた高いレベルのテクニックが求められます。
バイクの走る・曲がる・止まる、の3つの能力をフルに引き出し、安定して操縦できるテクニックが求められることから、スキルの差が現れやすい走行だといえます。

アグレッシブに見えても1つ1つのスキルの積み重ね

バイクを安全にスムーズに操るためには、丁寧な操縦が求められるのですが、競技会における8の字ターンは時間競争なので、積極的にターンを攻めるアクセルワークとブレーキングが必要です。
一見かなりアグレッシブで無理をしているように見えますが、実は正確なアクセル操作とブレーキング等が円滑かつスムーズに連携することによって成り立っているのです。

隊員のライディングを見ているとリラックスして乗っており、しかも操作や動作に全く無駄がなく集中しつつも滑らかであることに感動します。
それなのにハイスピードと減速のリズムが心地よいのです。
一般の方がトレーニングする際には無茶をせずに一つ一つのスキルをアップさせてそれをスムーズに連携させることを念頭において行いましょう。

8の字ターンにおける個別のポイント

一連の操作をスムーズに滑らかに連携させるのが重要ですが、個々のスキルを1つずつ見てみましょう。
最初のコーナー侵入の際、手前でフロント・リヤ両ブレーキをフルに効かせ車体をインサイドに傾けつつ進入します。
そして前輪ブレーキを緩めながらスピードを調節してバイクを倒し込みますが、コーナーの奥に至るまでレバーに指をかけて微妙な対応をします。

一方、後輪ブレーキはコーナーを抜けるまで踏んだままにします。
この時点で、すでに目線はコーナー出口方向に向けますが、小さなターンではターン中は顔を90度程度進行方向に向けるつもりでいいでしょう。
出口では後輪ブレーキは踏んだまま、スロットルを開け車体を起こし加速の準備態勢です。
そして直線に向かってブレーキを解除して加速を始めます。

ターンの後半でも後輪ブレーキを踏んだままにするのは、バイクが直線に向いてスロットルを開いてもまだバイクが傾いており、後輪のスライドを防ぐ意味です。
なお、半クラッチは出力が不安定になるので基本的には使用しません。