バイクの運転テクニック

バイクの正しいオフロードのコーナリングについて

白バイ隊員とオフロード走行

アスファルトで整備された道路上の交通ルール違反の取締りがメイン任務の白バイ隊員なため、日頃からオフロード走行を任務として行うことは基本的にないのですが、その重要性から日ごろの走行訓練に組み込まれています。
オフロード走行の技術が求められる理由は、車上での身体のバランス感覚を鍛えるのにとても効果のある訓練だからです。

また、普段の任務はアスファルトで整備された道路の走行のみかもしれませんが、災害救助や被災地での犯罪予防のために悪路走破の必要もあるのです。
特に水害の被災地には、4輪車や重装備の通常の白バイでは流木などが障害となり侵入が出来なかったり、機動的に動けなかったりするので、オフロードバイクが最適です。
実際にTVのニュース映像などで、被災地で活躍するオフロードバイクにまたがった隊員を目にした記憶がある方も多いでしょう。

ロードバイクのライダーがオフロードで走るメリット

一般のライダーが被災地にバイクで入る必要はないとしても、オフロード走行で身に付けたバランス感覚は、冬の寒さで凍ったりあるいは雨で滑りやすかったりする路面を走行する際に役に立ちます。
オフロード走行ではバワーをフルに出さないケースが多い分、安全にスライドなどのスキルを学べます。

固いアスファルトと異なり、土の上であれば転倒してもダメージは少なくて済み、バイクも比較的軽く、思い切り試せるという利点があります。
最近の高性能タイプのロードモデルにはチョッとの油断ですぐにリヤタイヤが滑るものさえあります。
オフロードでバランス感覚を鍛えれば、このようなときに慌てずにコントロールできます。
スリップしやすい路面が現れても、冷静な対応で安全が保てるよう、白バイ隊員のオフロード走行テクニックを整理してみました。

操作面での動力の制御に加えバランスでの制御を重視

一般的にオフロードはタイヤが滑りやすく、スロットル開閉、ブレーキング等の装置の操作をフレキシブルで円滑に行うことが前提です。
そのうえで、路面の状態などによって走行スタイルは技術的にスライド走法とグリップ走法の2つに分けられます。
各々に利点があり、双方を身に付ければベストで大きな自信になるでしょう。
ここでは、リヤタイヤを滑らせ、少し派手なスライド走法を見てみましょう。

スライド走法

草がフカフカでタイヤのグリップが効かないダートやタイヤが埋まりがちな砂地でメリットのあるのがこの走法です。
後輪ブレーキをメインに使って減速し、リヤタイヤをスライドしながらブレーキターンを行います。

後輪が滑るのに応じて上半身をバイクの外側に置くリーンアウト姿勢がベースです。
バイクを内側に倒し込むとともにスロットルを開き出力を高めて滑らせます。
コーナー旋回中はインサイドの足を斜め前に出してバランスを保ちながらより大きな滑り出しに備えます。
スロットルを開きつつ半クラッチでスライドを調整しますがリヤタイヤは大きく振ります。
リヤタイヤでダート面を削りながらスピード上げますがバイクが左右に多少暴れても力で立て直すイメージです。