ブレーキングはさじ加減が大事
ブレーキは単に止まるためだけの装置ではありませんので、しっかりかければ良いという性質のものではありません。
状況に応じて臨機応変に使い分ける必要があるのです。
例えばコーナーに入る少し手前ではブレーキングによりスムーズかつ安全に通過できる速度に調節したり、車体の傾きなどをコントロールしたりするために使います。
2輪車に限らず4輪車でも同じですが、基本的な性能は「走る」「止まる」「曲がる」の3要素ですが、安全性を考慮すれば最大限に優先すべきことは止まることです。
車両を適切に制御することが出来なければ、「走る」「曲がる」ことにも悪影響をおよぼし、快適なライディングは不可能です。
ブレーキングスキル+危険察知で真の安全
ただし、ブレーキングスキルだけが上達したからと言ってそれで安全確保が万全ではありません。
道路には常に事故のリスクが潜み、どんなところにどんなリスクが有りうるのかを予測しつつ走行することができて、初めて真の安全に近づけるのです。
白バイ隊員は「道路にある一番のリスク」は意外なことにライダーの心に潜むと言います。
2輪車にしても4輪車にしても人が操作する道具である以上、事故の発生はドライバーの考え方に左右されるからです。
ライダーは、走行中は常時、状況の認知、動作の判断、装置の操作を繰り返しつつドライブしているのですが、その3つのうちの何れか1つの欠如あるいはミスが事故を引き起こすのです。
道路には何処にでもリスクが潜んでいる事を認識し、自から発見しようと日ごろから心掛ける事が重要です。
心のブレーキと言われる通り、日常的にリスクの存在に対する正しい認識を持つ事が、最大のリスク予防なのです。
確実に止まれるスキルを習得するとともに、リスク察知力・対応力も磨きバイクライフを楽しみましょう。
ブレーキングにも種類がある
ブレーキングには、事故を回避するために緊急に減速して停止する目的での急制動やコーナーの入り口までにコーナリングに適したスピードまで落とす目的のタイプもあります。
目的は複数あり、使い方は様々なのですが何れのポイントもフロント・リヤの両ブレーキともにバランスをとりながら効かせる事です。
一般的にはフロント・リヤ両ブレーキは同時に効かせるのですが、スピードや停止までの距離の違いによりフロントとリアの効かせ方や配分を調節して、ブレーキの能力を最大限効果的に発揮でき安全な減速が可能となるのです。
コーナー臨時のブレーキングのポイント
コーナーを回る際は入口に到達するまでに徐々にブレーキングして適正なスピードまで減速することが原則です。
しかし、コーナー中盤でも大きさの読み間違いなどで必要があればフロント・リヤともに軽くブレーキをかけて旋回スピードを調節するケースもあります。
この場合は、ブレーキが効きすぎるとリアがスリップして転倒や車線はみだしなどの危険がありますので、あくまでも進入時の原則を忘れずに。