バイクの運転テクニック

バイクの正しい発進について

発進時の最重要ポイントは安全確認

発進の際に何よりも最初にやるべきで重要な事は安全確認で、特に注意が必要なのは後方の状況です。
バックミラーに頼った確認では視野に入らない死角があり、後方の車両や歩行者との距離感も掴みにくいので、必ず目視で確認する習慣を付けましょう。
停車したバイクの発進時はリスクが多く、実際の事故も発進したすぐあとに起きたケースが数多く報告されています。

具体的な事故の例は、気が付かなかった後続車に追突されたり、交差点での出会い頭の事故だったり、歩行者を見落として接触する例など枚挙にいとまがありません。
このような事故は何れも安全確認が十分に行われていれば発生を防げたはずです。
発進時には、どんな安全装置よりも、後方を含め周囲の安全を十分に確認して目視で安全を確認することが自らの身を守るのです。

白バイ隊員の発進時の安全確認

速度超過などの違反車を発見すると一瞬のうちに発進して時間をかけずに違反車両に追いつき、取締りを行う任務の白バイは危険と隣り合わせですが、どのように安全を担保しているのでしょうか。
白バイ隊員は危険な任務ではあるものの、その目的は公共の安全であり、ドライバー本人を含め周囲の安全を最重視しているのだそうです。

日ごろのトレーニングはその安全性を確保したうえでいかに素早い発進で違反者を取り締まるかというモノで、技術を磨くのは安全確保のためということになります。
経験の浅いライダーやトレーニングを積んでいないライダーにとっても白バイ隊員の安全確認は参考になると思われるため、白バイ隊員の話をもとに確認方法を整理してみましょう。

発進時の安全確認方法を簡単にまとめると上体を前傾させながら右肩越しに後方を見るのですが、首をひねってちょっと確認という感じではなく、上半身全体をひねってしっかり振り返るように後方に向きましょう。
このときのポイントは左肘を上げ気味にして左肩を前方に出す一方、右肩を後方に引けばより自然に後方にひねることが可能です。

白バイの緊急発進が可能な理由

一般道の走行では白バイのように緊急発進はないのですが、白バイのスクランブルの操作技術についても見ておくとスムーズな発進の参考にできます。
スクランブルはスロットルとクラッチの連携操作が重要ポイントで、白バイの場合は普通発進よりスロットルを回して最初から回転数を高めにします。
動力が高まった状態で、後輪ブレーキでタイヤの回転を抑えて準備しておきます。

スタート時は半クラッチをタイミングよく使いつつ、後輪ブレーキを緩めながらスロットルをぐっと開きます。
クラッチを繋ぐタイミングが悪かったり、連携操作がずれたりすると失速やエンストの原因となります。
エンジンの回転数を落とすことなく円滑にクラッチに繋いでパワーを駆動輪につなげることが必要です。